今年も始まりました!リペア進行状況。皆様にどのように修理が行われいるか、また、どのくらいの進行状況なのかをお知らせするため、ほぼ夜な夜な更新しているこのページ。2012年の開業当初から変わらず投稿し続けているこのページを今年もご覧ください^-^
サドル交換が終わり、ボリュームの取り付けです。ギターの肩にポットを取り付けるのですが、エレキギターのように配線するとジャリジャリっとスクラッチノイズが入るのでノイズが入らないように配線してあります。それから、外来ノイズが入ってきてしまうので、ポットの端子部分をノイズ対策してあります。これでノイズについては問題ないですが、ノブがなかなか良さげなものが売っていないので、作ります。今回はエボニーの端材を切り出して作っています。ライブ中でも見やすいように、メキシコ貝のドットインレイを入れています。
すり合わせとナット交換。ハイポジション付近で音詰まりがあるので、フレットをすり合わせて改善していきます。フレットの頂点を全体的に真っすぐにするのは物理的に厳しい状況でしたので、ハイポジションを中心にすり合わせしております。
取れそうで取れないので、破壊します。ナットの中心付近に切れ込みを入れて取り出しやすくします。もちろん間違っても木部まで切らないように上手くやらなければなりませんが、ナットはほぼ切らないと取れないのです。どうです?木部は切れてないでしょ?^-^
完了。フレットの状態というかネックの状態は正直あまりいい状態ではないですね。そんな状態でもなんとかするというのもプロの仕事です^-^すり合わせでハイフレットについての音詰まりは解消し、あとはネック調整、弦高調整ですが、弾きやすい状態に持っていくと1弦の1Fと2Fで音が詰まる・・・のでこの部分についてはフレットを「ハッ!」とやって直しています^-^「ハッ!」とやると直ることもあるんです。
弦高が高いということでしたので、元々のサドルを削って下げてもいいのですが、アコギは季節によって弦高が変わりやすいので、元のサドルはそのまま保管しておいてもらって、新しくサドルを製作することにいたしました。弦高は12Fで6弦2.2mm 1弦1.6mm に設定。低めのセッティングです。
ナットもいつも通り製作しております。最後の写真を見るとわかると思いますが、弦溝を切るときに、1弦は内側へ、6弦は外側へ行くように、指板(ネック)の中心から弦全体が6弦側に寄るように切っています。これは特に弾き語りで使う場合はかなり弾きやすくなります。シェイクハンドで握るようなコード、例えばFコードをシェイクで押さえると、手のひらが1弦に当たってミュートしてしまうなんて症状がこれで緩和されますよ^-^
さて、なかなか困った状況のギターです・・・。とりあえずナット、フレットを取り外して、その後ピックガードをできる限り復元すべく、まずは取り外していくのですが、なんせバラバラになっているので、慎重に取り外していきます。このピックガードはエポキシ接着剤かな?で接着されているので、アセトン(有機溶剤)で少しずつ溶かしながらゆっくりはがしておりますが、すでに反り上がってトップの板が裂けているところもあるので被害が広がらないようにゆっくり、優しくです・・・。
ピックガードをはがし終わって、まず、裂けてしまっているところを接着。とりあえず今日はこれだけ。
かなり困った感じで割れています・・・。非常にやりにくいです・・・。エンドのサイド板が割れているのが写真でもわかると思いますが、実はこの部分、内部のエンドブロックが真っ二つに割れているのです・・・。ですのでこのブロックに接着剤を流さなければいけないのですが、内側からは流石に無理なので、外側から流すわけなのですが飾りが邪魔をしていて割れ部を広げて接着剤を流すことができないので、取り外します。ん~まだ時間がかかりそうです・・・。